伊藤若冲と英語学習
ゴールデンウィーク中にたまたま見ていたNHKの番組で、江戸時代京都で活躍した画家、伊藤若冲が取り上げられていました。伊藤若冲という名前はこの番組を見て初めて知りました。なんとなく見始めた番組、知らぬ間に彼の絵に釘付けとなり、あっという間に番組が終わってしまいました。
鮮やかな色使いで描かれた動植物。その生き生きとした様子がテレビ画面からでさえ伝わり、「実物を見てみたいなぁ~!」と思いましたが…
東京都美術館で開催中(~2016/5/24(火)まで)の若冲展。やはり大盛況!なんと、320分待ちの日もあったとか!コア成田教室の先生もゴールデンウィーク中にこの若冲展に行き、入場まで2時間半待ちの30分鑑賞。という過酷なスケジュールをこなされたそう。それでも、見る価値はあり?!
さて、なぜ、伊藤若冲と英語学習がつながるのか。(やや、こじつけ感はありますが、お許しください。)
伊藤若冲の作品の制作過程には、肉眼では決して見えない、つまり、見る人には決してわからない膨大な作業工程が含まれています。
例えば 《秋塘群雀図》(しゅうとうぐんじゃくず)という作品の中に描かれた雀の胸の色。1cmほどの胸の部分にわずか0.1mmという大きさで絹目(この絵は絹地に描かれている)にオレンジ色の鉛丹という顔料を置く。もちろん、その点は肉眼では見えないのですが、その点を置くことで、雀の胸元のより生き生きとした黄色が表現されるのです。他の作品にも、鑑賞者には見えていない、わかっていない部分に膨大な時間を費やした跡が現代の技術で明らかになっています。人知れず費やした膨大な時間があったからこそ、その絵は何百年を経ても人々を感動させられるのでしょう。
流暢に英語あやつる日本人。私たち英語学習途上にある者にとっては、まさに奇跡。
あんな風になりたいと、あれやこれやのショートカットの方法を試してみたくなりますが、最新のカメラで彼らの英語学習を覗いてみたならば、「英語の音声を聞くこと・声に出すこと」「文法を知ること」「語彙を増やすこと」という基本的な作業を弛まなく続けている姿が映し出されることでしょう。
“千載具眼の徒を竢つ”と書き残した伊藤若冲。彼ほど気は長くないですが、確かな方法論に基づいて努力を積み重ねてゆけば何年か先…取り組む量によっては何十年か先になるかもしれませんが、英語をどうにかあやつっている自分にかならず会えるはずです。