文法知識だけでは英語を理解できません

2020年10月1日

おとなのクラスでテキストの和訳をすると、細部の文法事項について細かく質問される生徒さんがいらっしゃいます。
疑問を持たれるということは、それだけ勉強熱心ということであり、感心なことなのですが、「音読クラス」にとっては、ときにそれはナンセンスな場合もあります。
音読クラスでの訳活動は深く英文解釈をするためのものではなく、「意味のわかっているものを音読する」ために行っています。
文法知識がある方ほど、「ここはこういう解釈のほうがよいのではないか」と細部にこだわり先へ進めなくなります。大切な音読の時間がどんどんなくなり、少し困ってしまいます。
こだわっていた細部もCDを聞けば、たいがいは間違いに気づけます。
言葉は、最初に『音』ありきです。
書き文字から先に生まれる言葉はありません。
必ず、声に出して、または、心の中で語られた言葉が先に生まれ、それらが文字になるのです。
だからこそ、「CD通りに読めること」が英語学習で一番大切なのです。
英語力が伸びない、聞き取りが全くだめだからとクラスに入られたおとなのかたの中にも高い文法知識をお持ちの方がいらっしゃいます。そういう方の中の多くに「CD通りに読めない」方がいらっしゃいます。
正しい英語の音の溜めが自分の中になければ、せっかく溜まっている知識を聞いた音と結びつけることができません。
せっかくの『知識』という宝を生かすためにも、是非、「音読訓練」にしっかりと目を向けてほしいとおもいます。