台湾の中学校で学ぶ、中学1年生
中学生の夏期講習が入りました。台湾の中学校へ進学した日本人の中学一年生です。
6年生まで日本の小学校へ通い、中学から台湾の中学へ入学したそうです。英語の授業に全くついて行けず、夏休み中の日本への帰省中になんとかせねばとコア英語教室での夏期講習が決まりました。
台湾の中学の英語教育事情を知っておかねばと調べたところ、日本の中学生が3年間で学ぶ1000語を台湾の子どもたちは小学生の間に学び、中学1年生でそこをもう一度じっくり学ぶ。さらに中学2年生から新しい語彙を増やしていく、という流れのようです。日本の中学生が学ぶ英語と比較すると、語彙で2~3倍、文章量で3~5倍を学んでいるようです。
そんな環境の中に、ほとんど英語らしいものを習わないままに飛び込んでしまった生徒さん。中国語でなされる英語の授業、さらには、下地がある(小学生の間にある程度の基礎を習っている)ことを前提とした授業。この環境で「頑張れ!」「やれば出来る!」というのは全く無理な話。スタート時の語彙力の差、言葉の壁、生徒さんのがんばりだけではどうにもなりません。
案の定、英語の学びの最初におさえておかなければならない、一般動詞とbe動詞の違いや、代名詞がまるでわかっていませんでした。そして、できない最大の要因、英単語が読めないのです。
がんばってるのにできない、という状態はこの生徒さんのように特別な環境下におかれた場合に限ったことではありません。日本の教室の中でも似たような状況が生まれます。そう、英単語が読めないと、同じような状況に陥るのです。
まずは、単語をある程度読めるようになるまでフォニックスの基本に時間をかけました。そして、語順訳ルールを使ってのコア式語順訳を練習し、英文のしくみを学びました。
この生徒さんに限らず、日本の英語が苦手な中学生の多くは、英単語を見た時に英語の音にできていないのです。英単語を交えた先生の文法説明は未知の音の混じった変な日本語なのです。「”いず”ってどれ?なに?」と自問自答している間にも先生の説明は容赦なく流れていき…なんだかよくわからないまま授業は終わるのです。
よくわかっていなくても問題集は解けてしまうのです。穴埋めパズルが主流ですので。Sheならis、They ならareとパターンでクリアできます。けれど、悲しいかな、初期段階のみです。だんだん本格的にわからなくなります。
「英単語が正しく発音できる」「文章を英語らしく読める」
後回しにされがちなこれらの基本の基本が、後々の英語学習を伸びのあるものにかえてゆくのです。
さて、この生徒さん、夏期講習終了後に様子を聞いてみたところ、単語が随分と覚えられるようになって、英語の勉強が楽になってきた、とのことでした。