わかったつもり

2020年10月1日

コア英語教室では小6から英作文を始めます。小4から音声学習と語順訳をやってきた生徒にとって、英語がSV~.という語順であることは体が覚えており、作文の際にも語順は割合すんなり決まっていきます。しかし、新しく学ぶルールが定着するには随分と時間がかかります。“3単現のs”もそのひとつ。
He have a car.
と誤って作文した子どもたちに、“主語が3人称単数の時”のルールを読ませます。何度も同じルールを読まされる子どもたちは、『はいはい、そのルールね。もう何度も読んでるから知ってるよ』と、わかった顔で再作文…ちょっと~本当にわかってるの~~?!
1人は
He haves a car.
そしてもう1人は
He have a cars.
と、答え直します。
havesと間違った子にはhasを使うことを新たに教えます。carsと間違った子には「動詞はどれ?」というところから再スタートし、再び3単現のルールを読ませhavesまでたどり着かせます。
このような「わかったつもり」の実例は中学生、高校生で英語ができずにコア英語教室にやってくる子どもたちにも多くみられます。
中2で学ぶ比較があります。英語がわからなくなる最初のポイントかもしれません。英語ができなくなった子どもたちは、問題集の穴埋めが正解していても、「比較ってどんな品詞を変化させるの?」と聞くと、動詞、名詞…とがっかりな答えが返ってきます。形容詞と副詞だと説明する際、「形容詞って何?」「副詞って何?」とたずねてもきちんとした答えが返ってくることはあまりありません。
小学生、中学生の文法学習の過程は「わかったつもり」だらけです。子どもたちに「つもり」の認識はありませんから、すべて「わかった」こととして一旦通り過ぎます。
やっかいなことに、「わからない」はテスト等でバツがついたりして表面化しますが、「つもり」は表面化しません。そしてさらに「わかったつもり」であることを、その時、子どもたち自身は気づきません。彼らの学習にかかわっている親や先生が「あれ?この子わかってないぞ。」と周りが気付くのです。本人が気づくのは、ずっーーーと後になってから…高校生になってからでしょうか、「あぁ、わかってなかったんだ…」と、気づきます。自分自身を振り返れるのは、もっと成熟してからなのです。
未熟な小、中学生の「わかったつもり」を見つけだし「わかる」へと導く。少人数制だからこそできる「育てる」指導です!