基礎学習に目を向けて

2020年10月5日

日本人のノーベル賞受賞者が誕生!!

ノーベル医学生理学賞を、東京工業大学栄誉教授の大隅良典さん(71)が受賞しました。「オートファジー」の研究を認められての受賞でした。
NHK NEWS WEBより引用

—大隅さんの会見の一部—
… ノーベル賞、わたしは少年時代にはまさしく夢だったように記憶しておりますが、実際に研究生活に入ってからは、ノーベル賞は全くわたしの意識の外にありました。わたしは自分の私的な興味に基いて、生命の基本単位である細胞がいかに動的な存在であるかということに興味を持って、酵母という小さい細胞に長年、いくつかの問いをしてまいりました。わたしは人がやらないことをやろうという思いから、酵母の液胞の研究を始めました。1988年、今から27年半ほど前に
…(中略)…
ひとつだけ強調しておきたいことは、私がこの研究を始めたときに、オートファジーが必ずがんにつながるとか、人間の寿命の問題につながるということを確信して始めたわけではありません。基礎的な研究っていうのがそういう風に展開してくもんだっていうことを是非理解をしていただければと思います。基礎科学の重要性をもう一度強調しておきたいと思います。…(後略)…

NHK NEWS WEBより引用

研究に『基礎』というくくりがあることをご存じでしたか?

私は、大隅さんの会見をみて、おはずかしながら初めて知りました。未知なるもの、つまり、どこへもたどりつけず無駄になってしまう可能性を含みながら研究していくのが『基礎研究』、そして、”病気を治すのに役立つ””寿命を伸ばす可能性がある”など、ある程度はっきりした目的地を定めて進んでいくのが『応用研究』、といった感じでしょうか。

「この海の向こうには何があるんだろう…とにかく行ってみようじゃないか!」と漕ぎ出す基礎研究と、「あの島を目指すぞー!」と地図をもって漕ぎ出す応用研究

今の研究者の多くは前者にはなろうとせず、確実な後者を選ぶか、もしくは研究の道そのものをあきらめてしまう人が多いと、大隅さんが懸念されていました。

研究の世界に限らず、常に”結果”が求められる、まずは”結果”を出す、のが今の時代なのかもしれません。

英語学習におきかえてみましょう。

英語学習においての『基礎』は音読、まずは声に出して英語を発せなければどうにもなりません。たとえ、学校で”今”、そこそこ良い点数をとっていても、「英語を英語らしく発せない」という事実を抱えたままでは、先の伸びしろはありません。

しかし、この、英語の基礎学習。すぐには結果がでません。科学の基礎研究と同じです。すぐに結果がでないので、”結果”ばかりに重きを置いている人は、その時点でやめてしまいます。科学研究なら、ここで終わりです。もう、何も生まれません。英語も同じです。

どうか、英語を学習すると決めたなら、大隅さんの上記の言葉を思い出して、とことんやり抜いてください。早々と結論を出さず、じっくりと取り組んでください。きちんと毎日取り組めば1年後の自分は今の自分とは違ったものになっています。

「違ったものになる」とは英語の成績だけを指しません。すべての学習に対する自身の気持ちのもちようが変わり、そして取り組み方が変わります。たぶん、これが、「勉強が楽しくなる」感覚なのだと思います。ここは、科学の基礎研究と英語の基礎学習の大きな違いです。

英語の音読はやり続ければ必ず結果が出ます。

そして、その結果に向かって最短で到達できるノウハウをお伝えし、子ども自らが学ぼうとする姿勢を身につけさせるのが、コア英語教室の先生の役割だと思っています。