英文法学習について(3)

2020年10月5日

英文法学習について(2)の中でも触れましたが、英語の音声学習を先行した生徒さんの中には、なかなか文法学習に力が入らない生徒さんもいます。
これは子どもさんに限ったことではなく、おとなの生徒さんにもあてはまるようです。
今日、お盆明け久しぶりに「おとなの学びなおし-音読クラス-」の授業がありました。音読クラスでは小学生が使うものと全く同じ教材を使い、そして、授業の内容も小4からの「翻訳コース」と同じ形式ですすめています。
「英語の語順に沿って意味が理解できる」ことは英語を理解する上で、小学生、おとなの別なく必要な力ですので、同じ方式で学んでいくのは当然のことですね。
さて、今日の授業。ひとりの生徒さんが訳に苦戦しました。
When the children tried to find their way home, there were no crumbs to show them the way.
これは、コア英語教室の物語教材『ヘンゼルとグレーテル』の中の一文です。この文のように、従属接続詞が入ったり、to不定詞がはいったり、また、there is 構文などがはいったりと、少しにぎやかな文構成になってくると、多くの中学、高校生、そして、英語に苦手意識を持っているおとなは訳せなくなります。
コア天満校に通う小学5年、6年生の子どもたちも、今この作品に一生懸命取り組んでいますが、単語の意味を与え、「コア式の語順訳ルール」を使えば、この文が言おうとしている内容をつかむことができます。
やっぱりすごい!コアの小学生!
ほんとうに、あらためてそう感じます!
そして、一方、訳につまづいたおとなの方。この方は、コアの大人クラスの中では若手の30代。やはり若い世代は音声学習が学校英語の中でも少し入っているので、クラスの中でも読みはダントツにかっこいい。海外旅行先などでも積極的に英語を使っていたので、簡単な意思疎通はできる。…で、なぜ、コアの学びなおしクラスに入られたか?…
・簡単な意思疎通の域から先へ行きたい
・中学の文法を曖昧にしていることが原因だと感じている
・中学英語を基本からやってみたい
と、あいまい英語からの脱出を目指して入会されてまもなく丸3年。訳せて当然の上記英文のto不定詞のところがどうにも訳せない。これには当人のみならず、私も衝撃をうけました。
語順通り訳していく中で、主語と動詞の関係や、文型、品詞のことを、難しい説明を覚えることでではなく、英文を訳すという作業の中で、「体で覚えていく」という感じで定着させるコアのシステム。音声学習と語順通りに訳す作業がそれを可能にします。
同じように3年程度習っている70代の女性。この方は「ぜんぜんできないけど、ボケ防止になれば」という感じの軽い気持ちで参加されました。1からコアの学び方で、まさに小学生が習うのと同じように3年学習を続けられていますが、上記文章を前から語順にそって意味をとることができます。
なぜ同じように授業をすすめているのに、英文を理解できるようになる人とそうなりにくい人がいるのだろう。
やはりここにも、前出の高校生のように、英語の音に触れ、英会話から英語に触れてきた人にとって文法は、「そんなん、必要ないやん?だってわかるし。」…と、心のどこかにあるのかもしれません。
英語話者に何か伝えたいことがあるとき…。
”to不定詞なんてわからんでもいいやん” で、キチンと伝えたい思いは伝わるでしょうか。コミュニケーションをとるためには、せめて中学校でならう基本的な文法事項くらいは了解しておきたいものです。